お知らせ コラム

2019-02-25 21:01:00

先日アジアンタイフーンの近くの道立近代美術館で開催中の『深井克美展』に行ってきました。
知らない画家だったし暗くて不気味な絵なのに、ネットで展示情報を見たときに心惹かれる感じがしました。

臓器みたいなものがあらぬところに付いている人とか、口の中にガラスが詰まっている人とか、ボロボロの肉の塊みたいなふたりが抱きしめ合っている絵など・・・
グロテスクなものが多いのになぜか綺麗と感じるこの人の絵は、全ての作品がそうなのかはわかりませんが、まず美しいものを描いてから上に描き足していって醜いものに仕上げた様子がうかがえました。
隠された美がちらっと見えている部分があったり、見えなくても存在感が奥からこぼれ出ているために「綺麗」と感じさせるのかもしれません。


わりと明るめな絵がひとつあったのですが、醜悪な作品になるのを恐れた友人が、作者が描き足す前にこっそり持ち帰ってきたものだそうです(笑)
このことがあったおかげで描き足す前の美しさを知ることができるのはありがたいことです。
そしてその段階でストップした作品を見たことで、どうしてこの人が美しい絵を醜い絵で隠すのかがわかった気がしました。

この画家はもう亡くなっていて、没後40年記念の展覧会なのですが、もしこれが去年だったらわたしはこの人の絵はただの不気味な絵だと思って見に行かなかった気がします。今の自分だから琴線に触れたのだと思います。

作品もですが展示の仕方が素晴らしく、絶妙なところにご本人が書いた文や手紙、仲間の方たちからの言葉などが置かれていてナビゲートしてくれている感じがしました。

気になった方はぜひ道立近代美術館へ。