お知らせ

2017-09-01 16:25:00
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9月がスタートしました。

アジアンタイフーンの近くにある道立近代美術館では芸術の秋にふさわしく8月26日からゴッホ展が始まりました。

 

さて、今日はゴッホ展の前に先日触れてきた芸術のお話をしたいと思います。

みなさん、ギリヤーク尼ケ崎さんをご存知でしょうか?

わたしはつい先日ネットでたまたま知ったばかりなのですが、函館出身の大道芸人です。

これまで日本だけではなく海外でも踊りを披露していてファンがたくさんいるようで、そんなギリヤークさんがちょうど札幌で公演するとのことだったので観に行ってきました。

 

 

 

場所は丸井今井の前の路上で、わたしが到着したときすでにたくさんの人が集まっていました。

そして時間通りにギリヤークさんが登場しました!

 

車いすに乗っての登場でした。

ギリヤークさんは今年87歳。パーキンソン病を発症しています。椎間板ヘルニアなども抱えていて、心臓にはペースメーカーがついているそうです。

前の週は函館公演だったので、札幌に来ることすら大変なんじゃないかと思ってわたしは観に行く直前までウェブで公演変更のお知らせが出ていないか何度も確認したほどでした。

 

観衆の輪の中で車いすを止めて、そこから立ち上がっただけでもすごいと思う状態に見えました。

そのあと観客の前で衣装の羽織を脱ぐと、身体には大きなコルセットが付いていて、それをサポートの方の手を借りて外しました。

細くて背中の曲がったその姿が痛々しくて、直視していいものかと戸惑ってしまいました。

 

ですが、踊りが始まるとそんな気持ちがどんどん変わっていきます。

 

87歳なのに・・・

病気なのに・・・

と勝手に心配していた自分はどうかしていたと思いました。

 

踊りに関しては百聞は一見に如かずなのでここに詳しくは書きませんが、

ギリヤークさんは踊りの演出でより老人らしさを出すために歯を全部抜いてしまっているそうです。

多くの人がアンチエイジングだ増毛だなどと若さに心惹かれる世の中で、みずから老いに近づくことを選ぶなんてびっくりです。

 

だけどギリヤークさんを見ていると

歯が無くて顔がしわくちゃでも、背中が曲がっていても、子どものようにかわいいなと感じたり、凛としてかっこいいと感じたりしました。

観客に向かって話してくる声はマイクを通しても弱くてあまり聞こえないのですが、不思議とギリヤークさんがすごく強くて元気で、この場を楽しんでいることを感じました。

わたしはギリヤークさんの肉体の向こうの魂を感じることができたのかなと思います。

 

魂には年齢や病気などは関係なくて

そういうものを理由に人の可能性をせばめる必要はないんだと思いました。

 

 

わたしはと言うと、1時間ほどの公演を立ちっぱなしで観た後に膝がものすごく痛くなっていて、その程度で「歩けない」と泣き言をもらしました・・・

 

 

一生に一つだけしか持てない自分の身体を

しっかりコントロールして大切に使っていくのは大事なことです。

でも肉体や年齢がどうであれ勝負できる魂の強さも誰もが持っているんだろうなと思います。