お知らせ

2017-09-28 14:18:00
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先日、『ニトリ小樽芸術村』に行ってきました。

小樽の歴史的建造物を利用して『ステンドグラス美術館』『旧三井銀行小樽支店』『似鳥美術館』として公開されています。

 

どこも見ごたえがあってお値段以上だったのですが、その中でもわたしが予想外に魅了されたのが旧三井銀行小樽支店でした。

この建物は90年前に造られて2002年まで使われていたそうですが、わたしは中に入るのは初めてでした。内部はほぼ全ての部屋に入ることができて当時使われていた調度品も展示されています。

 

最初は「ここはサッと見て早く似鳥美術館に行こう。」くらいにしか思っていなかったのですが、わたしが1階の支店長室に入ったときにその部屋の古い時計がちょうど時報を鳴らしてびっくりさせられると同時に「ようこそ!!」って言われている気がしました。

それでここは使い終わった古い建物ではなく、巻き時計がちゃんと定期的に巻かれて時を刻み、今生きているわたしたちを迎え入れるために手入れされている場所なんだと感じました。

地下の貸金庫室にも入りましたが、誰もいなくてがらんとしているその場所でももの悲しい気持ちにさせられることはなく、ここに大金を持って出入りした人たちの「やってやるぜ!」という思いや発展していく小樽の街の様子を想像することができました。

 

大きな白い天井を利用してプロジェクションマッピングもやっています。吹き抜けになっているので1階から全体を見上げることができてとても贅沢なスクリーンです。この建物を造った人たちは90年後にこの天井の模様にぴったり重なるアートが映し出されることを想像したかな?と考えると不思議な気持ちになりました。

 

あとで芸術村のWEBサイトを見て知りましたが、あの建物で『旧三井銀行小樽支店研究会』というのが開かれたり、この前の7月にはビアホールとしても使われたそうです。スタッフの方の文章からも愛情が感じられ、建物が生き生きしているのも納得です。

飾っておくだけではなくてみんなで共有する場所にしてくださったニトリさんに感謝したいです。あの建物も喜んでいるのではないでしょうか。

 

帰ってきてから、しばらく乗らずに放置していた自分の折り畳み自転車に申し訳ない気持ちになってきれいに磨きました。

そしてわたし自身これから年を重ねていっても、巻き時計を巻くようにしっかり手入れを続けて、その時々にふさわしい形で自分を生かし続けられたらと思いました。

 

※写真はステンドグラス美術館です。